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令和5年(2023年)11月20日付
「ハチ公の物語を後世へ」

福原市長が行政報告

12月定例市議会開会

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福原市長

 

 大館市の12月定例議会は20日開会し、会期を12月7日までの18日間と決めた後、福原淳嗣市長が行政報告に臨んだ。先月29日に新駅舎が開業した大館駅について市長は「引き続き、人とモノが行き交う大館駅を中心として、駅前周辺エリアの活性化を図っていく」との決意を示した。また、ハチ公生誕100年事業については先月から今月にかけて実施したさまざまな関係イベントの成果などを報告しながら、「次の100年へ向けた取組みを継続するとともに、ハチ公の物語を後世へ語り継いでいく」とした。

 今定例会には本年度補正予算案や条例案、単行案など22件を上程。うち一般会計補正予算案は、1億2,456万円を追加する。福原市長の主な行政報告内容は次のとおり。

大館駅新駅舎の開業  

 10月15日、新駅舎の開業に先立ち、秋田犬の里の多目的広場で開業プレイベントと「駅−one.2023」が同時開催され、ステージイベントや飲食ブースなど多彩な催しが行われ、多くの来場者でにぎわった。同29日の新駅舎開業日には、国会議員をはじめ、県議会議員、市議会議員や関係者など多くの来賓を招いて記念式典を開催し、当日は駅利用者だけでなく、開業を待ち望んだ多くの市民にお越しいただいた。また、新駅舎に合築して設置した地域交流施設「駅なか交流センター」の供用を開始し、開業当日からミニライブが行われるなど、人が集まる場として広く活用されることを期待している。引き続き、人とモノが行き交う大館駅を中心として、駅前周辺エリアの活性化を図っていく。

大館駅待合室に関する連携協定の締結  

 新駅舎の待合室を活用した新たな取組みとして、さらなる地域のにぎわい創出を図るため、地場産品の常設販売を行っており、開業の当日から多くの人にご利用いただいている。この取組みについて、JRグループ企業2社と「JR大館駅待合室に関する連携協定」を締結した。10月29日に新駅舎で執り行った締結式では、武田議長、石垣副議長の立会いのもと、JR東日本秋田支社の井料支社長、駅構内のコンビニエンスストア ニューデイズを運営するJR東日本クロスステーションの白石常務取締役と協定書を取り交わした。白石常務取締役からは、JR東日本エリアで初となるこの取組みを「大館モデル」としてエリア内約900の関連店舗に展開し、各地域の魅力発信に協力したいとの考えを伺った。今後も新たな駅が大館を訪れる人や市民が行き交い、集う場として機能し、さらなるにぎわいの創出につながるよう、三者が連携した取組みを進めていく。

コロナワクチン接種など  

 9月23日からオミクロン株XBB.1系統対応ワクチンを使用した秋接種を実施している。生後6か月以上のすべての人を対象者として、総合病院を中心に、市内医療機関での個別接種のほか、高齢者施設などの巡回接種も行い、11月13日現在、約1万1,400人が接種を終えた。今後、総合病院では11月と12月にそれぞれ2日間、協力医療機関では来年3月まで接種を実施する予定。なお、供給されるワクチンが不足し、一時、予約枠を制限していたが、国から今後の追加供給の見通しが示されたことから、予約枠を拡大している。また、インフルエンザについては、全国的に例年より早く患者数が増加しており、県の感染症情報センターによると、大館保健所管内では警報レベルが続いている状況にある。市では、10月から65歳以上の高齢者などや中学生以下を対象にワクチン接種費用を助成しているので、早期の接種をお願いする。

農作物の収穫状況  

 今年は、季節外れの降霜や夏季の高温の影響を受けて、夏以降の収穫作物は収穫量の減少や品質の低下がみられる。水稲は、県北での10アール当たり予想収穫量が前年とほぼ横ばいの532キロ、作況指数が全県より1ポイント低い96の「やや不良」。JAあきた北管内の1等米比率は、11月13日現在、前年比3.9ポイント減の88.2%となった。一方、生産者概算金は、あきたこまち60キロ当たり1万2,100円と、前年を1,000円上回った。

 市の重点戦略作物については、アスパラガスは品質が低下し、出荷量、販売額ともに前年を下回っている。枝豆は、生育盛期の水不足により生育不良で収量が大幅に減少。品薄のため高値で取引されたものの、出荷量の減少で販売額は前年を下回っている。トンブリは害虫被害もあったため生育不良で、収穫量は前年の5割程度の見込み。山の芋は、形状はやや不良だが、出荷量は平年並みで、価格は平年よりも高値で推移する見込み。果樹は着果量が少なくサビや変形など品質低下がみられ、出荷量、販売額ともに前年を大きく下回る見込み。

クマによる被害状況と対応  

 11月14日現在、出没報告が534件と昨年同時期の5.7倍、農作物などの被害が114件で、このうち7件が人身被害。例年であれば9月ごろから出没件数は減少し始めるが、今年は市中心部の市街地にも出没するなど急激に増加している。市は、保有する20基のクマ捕獲用の檻をフル稼働し、すでに過去最多の205頭を捕獲したほか、県や警察と連携して爆竹や轟音玉などによる追い払いを実施している。11月に入っても依然として出没が続いていることから、市は有害駆除の期間を年末まで延長しており、引き続き、官民を挙げて被害の未然防止に努める。

大館駅インランドデポ推進協議会の取組状況  

 大館駅隣接地に物流拠点を整備する「大館駅インランドデポ構想」実現のため、官民59団体で推進協議会を組織し、国主導による物流拠点の整備に向けて地域の機運醸成や情報発信に努めている。10月11日には、国内最大の貨物取扱量を誇る東京港と横浜港を視察し、武田議長をはじめ参加した32人とともに、国際重要港湾の機能を学んできた。また、11月12日には、国の「国際海上コンテナの鉄道輸送拡大に関する調査事業」が大館駅で実施されたことに合わせて見学会を開催し、市議会議員や会員約50人が参加した。この調査事業は、通常の鉄道輸送コンテナよりも高さがある国際海上コンテナを試験的に輸送し、課題を洗い出すとともに、さらなる鉄道利用拡大の可能性を探るもので、大館駅で実施されたことは大館駅インランドデポ構想の実現に向けた大きな一歩ととらえている。今後も「人流と物流が行き交う北東北の拠点」として、構想の早期実現を図り、物流関連をはじめさまざまな企業の誘致や地域経済の活性化につなげていく。

ハチ公生誕100年事業

 @ 渋谷・大館交流の絆事業  10月6日から8日までの3日間、渋谷区青少年対策地区委員会の協力のもと、渋谷区立上原小学校と富谷小学校の5年生20人が本市を訪れた。南小学校の児童がハチ公の歴史を紹介したほか、区立小学校の給食に提供している大館産あきたこまちの精米工程を見学してもらった。また、矢立自然友の会の案内で天然秋田杉が保全されている矢立峠を散策し、森林の役割を学ぶ機会を設けるなど、渋谷区と本市のさまざまな関係性を知ってもらう機会となった。

 A 渋谷区くみんの広場  11月4日、5日に代々木公園で行われた「第46回渋谷区くみんの広場 ふるさと渋谷フェスティバル2023」に参加した。開会式では、長谷部渋谷区長の配慮で参加市町村の代表としてステージに登壇し、本市との交流を紹介した。また、ステージイベントでは、秋田犬保存会東京支部の協力で秋田犬とはちくんが一緒に登壇し、ハチ公生誕100年事業の集大成である「HACHIフェスin大館」をPRした。

 B 第4回秋田広域観光フォーラムin大館  11月10日、ほくしか鹿鳴ホールで猿田副知事をはじめ多数の来賓に臨席いただき、一般社団法人北前船交流拡大機構と一般社団法人地域連携研究所の共催で「大阪万博から始まる北東北の空」をテーマに開催した。長谷部渋谷区長や三重県津市の前葉市長、渋谷区観光協会の小池事務局長は、ハチ公の縁でつながった交流について事例発表した。また、「空のみちがつくりだす新しい地域間連携」をテーマとしたパネルディスカッションでは、観光庁の竹内観光資源課長がコーディネーターを務め、北東北の中心に位置する大館能代空港を基軸とした広域連携の方向性を共有した。「北東北の観光の魅力と可能性」と題した特別講演では、観光庁の高橋長官から、パンデミックが始まった4年前、観光フォーラムの開催に尽力してくれたのが大館市であり、「その恩を返したいとの思いで大館へ足を運んだ」との言葉をいただいた。

 C HACHIフェスin大館  11月11日、12日の2日間、ニプロハチ公ドームにで開催し、ハチ公生誕100年を盛大に祝った。「新・秋田の行事in大館2023」や「タイフェスティバル」の同時開催もあり、大勢の人が来場。ハチ公の飼い主であった上野博士の出身地の三重県津市や渋谷スクランブルスクエアなど協賛・パートナー22者が出展し、ハチ公に関係したさまざまな商品や作品を紹介したほか、ハチ公にゆかりのある人々によるトークショーを行い、人や街をつないだハチ公への感謝の思いを来場者と共有した。昨年8月8日に開始したハチ公生誕100年プロジェクトは、HACHIフェスin大館の成功で一つの大きな区切りを迎えた。これも、渋谷区の関係者をはじめ、市議会議員、市民の協力の賜物であり、深く感謝を申し上げる。本事業をきっかけにつながった多くの縁を大切に、次の100年へ向けた取組みを継続するとともに、ハチ公の物語を後世へ語り継いでいく。

アルザス・欧州日本学研究所(CEEJA)との連携協定の締結  

 去る10月11日、日仏交流の推進機関であるアルザス・欧州日本学研究所(CEEJA)と、さらなる交流の促進を目的として連携協定を締結した。渋谷区で行った締結式では、CEEJAがフランス有数の観光都市コルマール市で2027年にオープンを予定しているマンガ・アニメミュージアムで秋田犬をモチーフとしたマスコットを作成するために国際コンテストを共同で開催することや、本市と渋谷区、アルザス地方でコンテストの受賞作品の展示会を開くことなどを盛り込んだ基本合意書に、カトリーヌ・トロットマン所長とともに署名した。協定の締結はこれまでの交流の積み重ねが実を結んだものであり、今後は産業や観光分野のほか、子どもたちの交流などに向けた取組みを進めていく。

令和4年度財務書類4表  

 市では毎年、地方公会計統一基準に基づく財務書類4表(貸借対照表、行政コスト計算書、純資産変動計算書、資金収支計算書)を作成しており、現在、令和4年度決算分の年度内公表に向け、作業を進めている。これは民間企業の発生主義の考え方に基づいて作成するもので、土地、インフラ、負債、資本などすべての資産状況や減価償却費などを含めた正確な行政コストを示すことで適正な財政運営に役立てようとするもの。

 令和4年度決算の主な指標の速報値は、1年以内の短期の支出に対する資産の余裕度を示す「流動比率」は146.4%、固定資産への投資が自己資本と固定負債の範囲内であるかを確認する「固定長期適合率」は98.4%と、いずれも良好。また、これらの数値から導き出される総合的な評価であり、財政の短期的な健全性と長期的な安定性を示す「資金構造適正度」は基準となる「1」を上回り、1.489と良好かつ健全な値となっている。自治体自らの権限と責任による財政運営が求められる中、財務諸表を分析し資産・債務管理、コスト管理等に活用することで財政運営に関するマネジメント力を高め、財政の効率化・適正化を図っていく。(午後4時)

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