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令和5年(2023年)8月4日付
パワハラは2倍以上に
 
秋田労働局、4年度労働相談

いじめ・嫌がらせ約4割減 

 

 秋田労働局は3日、令和4年度個別労働紛争解決制度の施行状況を公表した。民事上の個別労働紛争相談の中で前年度まで9年連続で最多だったいじめ・嫌がらせに関する相談は、法改正に伴って同相談にカウントされなくなったため前年度に比べて約4割減少。半面、パワーハラスメントの相談は前年度の2倍以上に膨らんだ。

 個別労働紛争解決制度 は、 個々の労働者と事業主との間の労働条件や職場環境などをめぐるトラブルを未然に防止し、 迅速な解決を図るための制度。

 秋田労働局と県内の労働基準監督署に設置したコーナーであらゆる分野の労働問題を相談できる「総合労働相談」のほか、労働局長が個別労働紛争の問題点を指摘し、解決の方向を示唆することで紛争当事者が自主的に紛争を解決することを促進する「助言・指導」、弁護士、大学教授などの労働問題の専門家である学識経験者で組織する紛争調整委員会が双方の主張の要点を確かめ、紛争当事者間の調整を行って話し合いを促進することで紛争の円満な解決を図る「あっせん」の計3つの方法がある。

 4年度の総合労働相談件数は前年度比323件、3.6%減の8,642件。過去10年間で唯一1万件を超えた2年度の1万2,076件をピークに、2年連続で減少した。

 うち労働基準法違反などに関わる事案を除く民事上の個別労働紛争相談件数は前年度比476件、17.1%減の2,303件。4年連続で減少し、過去10年間で最も少なかった。

 昨年4月の改正労働施策総合推進法の全面施行に伴い、職場でのパワーハラスメントについては同法に基づいて総合労働相談のうち「法制度の問い合わせ」や「労働基準法等の違反の疑いがあるもの」として計上され、民事上の個別労働紛争の「いじめ・嫌がらせ」の相談件数にカウントされなくなったことも、個別労働紛争相談件数の目立った減少につながった。

 この結果、民事上の個別労働紛争相談で前年度まで9年連続最多だったいじめ・嫌がらせに関する相談は488件にとどまり、前年度に比べて319件、39.5%の大幅減に。

 同相談で最も多いのは自己都合退職に関するもので、同102件、15.2%減の568件。法改正に伴うカウント変更によっていじめ・嫌がらせは、数字上は2番目に後退した。

 一方、パワーハラスメントの相談件数は同311件、123.9%増の562件と2倍以上に膨らんだほか、紛争解決の援助申立件数は同3件増の4件、調停申請受理件数は皆無だった前年度から3件を数え、パワハラが深刻の度を増していることを裏づける結果に。

 総合労働相談のうち労働局長による助言・指導を申し出たのは同1件減の55件、紛争調整委員会によるあっせん申請があったのは同4件減の25件と、いずれも減少した。

 同局は「総合労働相談コーナーに寄せられる労働相談への適切な対応に努めるとともに、助言・指導及びあっせんの運用を的確に行うなど、引き続き、個別労働紛争の未然防止と迅速な解決に向けて取り組む」としている。   (午前零時)

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