生まれいずる命
有精卵を孵化させる方法は、産卵した親鶏あるいは仮母に抱かせる方法と孵卵機を使用する方法に大別されます。
このコーナーでは、孵卵機によって誕生した比内鶏の雛の様子を、写真で少しだけご紹介しましょう。
ご覧の写真は、殻の外に出てほんの3分後の比内鶏の雛です。
初めて見る外の世界に戸惑いながらも、
脚を踏ん張って懸命に立とうとしています。
たかが鶏、といえばそれまでですが、生命誕生という点では大きな価値を持ちます。
こちらは上の雛とは異なりますが、誕生して数時間が経過したものです。
体毛も少しずつ乾いてきました。上の雛に比べて、わずかに頼りなさが抜け
外の世界を見据える余裕も感じられます。
こちらは誕生して丸1日経過した雛たちです。殻を這い出た雛を育てるのは、一般家庭でもそれほど難易度は高くありません。
写真のように10数羽程度でしたら、リンゴ箱ぐらいの箱に入れて、清潔な水と初生雛用の飼料を用意します。
重要なのは低温にしないということです。20ワットの裸電球で結構ですから、10日から2週間程度、24時間続けて灯します。
このサイズの箱では、20ワット以上は暑すぎますので、使用しない方が無難です。箱中の温度は、おおむね35度を保ちます。
そして、透明ガラスを箱上部に4分の1程度の隙間を残してかけます。これによって、元気のあるなし、衛生状態などを
上からつぶさに観察できます。日を重ねると、下に敷いた新聞紙などが汚れてきますので、適宜交換するとよいでしょう。
電球を24時間灯すわけですから、最も注意すべき点は漏電や火災が発生しないよう、細心の配慮をすることです。
コードや電球はできれば使い古しではなく、安心、安全という観点から、新たに購入した方が賢明です。