今年の大館能代空港利用者数は、初の20万人突破こそ望み薄ながらも過去最多更新が視野に入ってきた。県が17日公表した11月末現在の利用実績に基づく積算によるもの。ただ、9月以降3カ月連続で前年割れが生じており、コロナ禍脱出以降上り調子だった実績に影を落としつつある。
東京(羽田)、大阪(伊丹)、札幌(新千歳)の3路線で平成10年(1998年)7月に開港した同空港は、翌11年11月に札幌、同23年(2011年)1月に大阪の両路線を「運休」の扱いながらも事実上廃止した形で、羽田線が唯一存続。令和4年(2022年)7月に開始した同空港の3往復運航は、同11年(2029年)3月まで継続される。
県の公表をもとに作成した前年同期比による1-11月の利用実績は下段のとおりだが、1-11月累計利用者数は前年同期比3,882人、2.2%増の18万2,317人だった。月平均搭乗率は同2.3ポイント増の59.9%と3年連続で50%を超え、損益分岐点の目安とされる60%が目前。
ちなみに、令和6年利用者総数は前年比1万5,581人、8.9%増の19万1,498人で、過去最多だった前年を上回った。過去3年間の12月の平均利用者数が1万2,935人という状況などからすれば、今年は年計で初の20万人突破は望み薄ながらも、11月末現在で前年を上回る実績をたたき出していることからして、過去最多更新の可能性も。
とはいえ、やや気になるのは9月が1万7,826人(前年同月比1,010人、5.4%減)、10月が1万9,685人(同629人、3.2%減)、11月が1万6,918人(同280人、1.7%減)と、減少率を縮小しつつも3カ月連続で前年を上回れずにいる点。
3カ月連続前年割れはコロナ禍から明確に脱け出してきた令和4年(2022年)以降初めてな中、正月帰省シーズンを含む12月に4カ月ぶりの前年比増に持ち込めるかどうかが、年間最多更新の行方を占う肝といえそうだ。
