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先月の県内倒産規模は2年6カ月ぶりに皆無だった2月を除いて今年最少ながらも、前年同月比では大幅に増加した。民間の信用調査会社、東京商工リサーチが8日公表した11月の企業倒産状況で示されたもの。
11月の企業倒産件数(負債額1,000万円以上)は全国計で前年同月比63件、7.5%減の778件、負債総額は同778億2,000万円、48.6%減の824億300万円。うち件数は、5月の857件以来6カ月ぶりに前年を下回った。700件台は、2月の764件以来9カ月ぶり。今年2番目の低水準で、11月では4年ぶりの前年比減に。
負債総額は、3カ月連続で前年を下回った。5月の903億8,900万円を下回って今年最少で、11月に1,000億円を下回ったのは2年ぶり。ちなみに、前年同月は100億円以上が東証グロース上場の日本電解(茨城・負債147億6,100万円)を含む2件発生した。今年は最大の倒産が中央建設(東京)の53億8,100万円と、中堅規模の倒産の減少が負債半減の主因。一方、負債1億円未満は前年同月比0.8%減の608件で構成比78.1%と今年最高となり、小・零細規模の倒産が目立った。
11月の倒産件数は、2月の764件に次ぐ今年2番目の低水準。前年同月を下回るのは6カ月ぶりながら、1-11月累計は前年同期比2.2%増の9,372件を数え、年計で2年連続の1万件突破がほぼ確実となった。このほか、四半期別では1-3月が2,457件(前年同期比5.9%増)、4-6月が2,533件(同3%減)、7-9月が2,639件(同6.2%増)、10-11月が1,743件(同0.4%減)と一進一退。
年末・年始の書き入れ時を迎え、産業界は春以降、トランプ関税に加えて中国との関係悪化という新たなリスクが浮上。こうした中、物価高で収益が圧迫される中小・零細企業は金利上昇や人手不足など、自社で解決できない問題も山積している。
同社は「抜本的な経営改善が遅れた企業を中心に資金調達がむずかしい小・零細企業が押し上げる形で、企業倒産は年間1万件の壁を超えていくとみられる」と予測。
本県の11月倒産は4件、負債総額1億7,600万円で、令和4年(2022年)8月以来の皆無だった2月を除いて今年最も少ない。とはいえ、前年同月比では件数が倍増し、負債総額は7,300万円、70.9%の大幅増。 (午後3時)
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