鈴木健太知事は4日、6月からの記録的な少雨で水不足の影響がみられるとして、市町村と歩調を合わせて農業者や土地改良区などへの支援を考えていることを明らかにした。また、県内ですでに4件のクマによる人身被害が発生していることにも触れ、「今年も危機的な状況」との見解を示した。さらに、日米関税交渉の焦点となっていたコメの輸入拡大について農業県としての受けとめについては「県内農業も含めて影響は限定的」とした。
<渇水対策> 6月から記録的な少雨で河川の流量やダム、農業用ため池などの貯水量が低下している。一部地域で水稲などの水不足の影響がみられる。このため、農業者や土地改良区などの農業団体においては農業用水の確保に向けて緊急的な対応として排水路等からのポンプアップなどを行っているが、期間が長期化してだんだん負担が大きくなってきている状況だ。まさにこれは災害級といってもいい状況で、県は生産現場の負担軽減を図る。安心して営農に取り組めるような用水の必要性が高まった7月中旬以降の農業用水の確保に、必要な経費を支援したいと考えている。具体的な予算額や補助率については今精査をしているが、市町村と歩調を合わせて農業者や土地改良区等への支援を考えている。また、今後生活用水への影響も可能性としてはあるので、限りある水資源の有効利用のために県民には無理のない範囲で結構なので、節水への協力をお願いする。
<クマによる人身被害> 現状すでに深刻と思っている。不幸なことに今回4件目の人身被害が県内で発生したし、目撃件数が一昨年大変多かった年よりもまだ多いという状況で、クマ出没エリアも人里に今まで出て来なかった所に出てきているという情報も大変多くあるので、現時点で非常に深刻な状況だと思っている。秋以降、ブナ等の凶作の予想もされているので、一昨年9月からかなりの件数の人身被害が増えてしまったわけだが、今年も危機的な状況と考えている。
<日米関税交渉の焦点となっていたコメの輸入拡大について農業県としての受けとめ> ミニマムアクセス米(世界貿易機関協定に基づいて日本が最低限輸入しなければならないコメ)については総枠が変わっておらず、その中の内訳で米国の割合が増えているということなので、県内農業も含めて影響は限定的というふうに感じている。今後総枠が拡大していくということであったり、他の作目にどんどん広がっていくということがないようにしていただきたいと思っている。 (午後3時)
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