県疾病対策課は10日、第27週(6月30日〜今月6日)の感染症発生情報を公表した。今年に入って全国的に流行している百日ぜきの県内の1週間あたり患者報告数は、週間で過去最多だった前週に比べて31%減少したものの、同2番目に多い。この結果、今年これまでに県内の医療機関から報告された累計患者数は700人を突破。北秋田保健所管内の高齢者施設では、集団発生も確認された。
百日ぜきは、百日ぜき菌の感染によって特有のけいれん性の激しいせき発作を特徴とする急性の気道感染症。世界的にみられる疾患で、子どもを中心に全年齢層でかかる。母親からの免疫が十分でなく、乳児期早期から罹患する可能性があり、乳児(特に新生児や乳児期早期)では重症になり、肺炎や脳症を合併してまれに死に至ることも。
平成30年(2018年)1月から5類全数把握疾患に分類されたのに伴い、全医療機関が管轄保健所に患者数を報告しており、新型コロナやインフルエンザなどのような定点医療機関のみの報告と異なる。
第27週の県内の患者報告数は、週間で過去最多だった第26週(6月23日〜29日)を29人、31%下回る65人。目立って減少したものの、週間の報告数としては第26週に次いで過去2番目に多い。
ちなみに、県内の年間患者報告数が過去最も多かったのは、令和元年(4月30日までは平成31年)の194人。今年は第27週までの半年余で令和元年の3.7倍の720人にのぼるなど、異常な増加ペースとなっている。
第27週は、北秋田保健所管内の高齢者施設で集団発生も。施設から保健所に報告があったのは今月1日で、利用者48人中14人、職員28人中4人の計18人から発熱や咳が確認された。 (午後3時)
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