昨年度の大館能代空港利用者数は、平成10年の開港以来最多を記録した前年度を大幅に更新し、約19万5,000人にのぼった。県が16日公表した令和6年度(6年4月〜今年3月)の利用実績で示されたもの。
東京(羽田)、大阪(伊丹)、札幌(新千歳)の3路線で平成10年(1998年)7月に開港した同空港は、翌11年11月に札幌、同23年(2011年)1月に大阪の両路線を「運休」の扱いながらも事実上廃止した形で、羽田線が唯一存続。
同空港では令和2年(2020年)10月25日を皮切りに、それまでより1往復多い羽田線1日3往復体制がスタート。今年3月29日までとしていた同体制について国土交通省は、利用者数の増加を評価した上で、4年後の令和11年(2029年)3月24日までを前提に継続することを決定している。
県が作成した前年度比による令和6年度の運航、利用実績は下段のとおりだが、利用者数は前年度比2万1,427人、12.3%増の19万5,027人。前年度は平成14年度(2002年度)の17万37人以来21年ぶりに17万人を超えたが、6年度は一気に19万人台に乗せ、20万人が視野に入ってきた。
こうした好調実績の背景には、コロナが一昨年5月に季節性インフルエンザと同様の「第5類」に移行したのを受けて観光や帰省利用の機運が年ごとに高まっているのに加え、1日3往復化も追い風に。
また、搭乗率は前年度の51.1%から58.1%に上昇したが、それでも席のほぼ4割以上が空いた状態なため、引き続き搭乗率を上げるための自助努力が求められる。
一方、貨物取扱量は入荷が前年度比7.3トン、13.1%減の48.2トン、出荷が同4.9トン、20.6%減の18.9トン、合計で同12.2トン、15.4%減の67.1トンにとどまり、人的利用の好調さとは対照的に航空物流は前年度に続いて低迷した。
併せて公表した秋田空港の6年度利用者数は前年度比6万455人、5.1%増の125万2,570人で、搭乗率は同5.6ポイント増の71.4%。入荷、出荷をあわせた貨物取扱量は607.3トンで、同75.7トン、14.2%増加した。 (午前零時)
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