県内陸北部に位置する秋田北地方にもゆっくりと春の足音が近づく中、「冬の使者」白鳥の群れが鳴きながら北へ向かって飛び交ったり、雪が消えかけた水田で一休みする光景が各地でみられる。
同地方の主な飛来地は、鳥インフルエンザ予防策として餌やり禁止の措置がとられて久しい。このため、かつての飛来地のほとんどは移動時の通過点にすぎず、同地方屈指の飛来地だった大館市長木川の「白鳥広場」も事実上"形骸化"。
東北に飛来する白鳥たちは例年、3月にシベリアへの旅立ちを開始し、4月にはすっかり姿を消す。今冬の秋田県内陸北部は2月を中心に大雪傾向だったことなどを背景に、暖冬気味だった前年より旅立ちもやや遅いもよう。
このため、北帰行の途中で白鳥らが水田に舞い降りて落ち穂をついばむ光景が3月下旬に入った今も盛んに見られるほか、「さようなら」とばかりに住宅街などの上空を鳴きながら飛翔する群れもこのところ多く目立つ。
ほぼ終日曇天で時おり雨がぱらついた春分の日の大館市は、いくつかの群れが通過し、朝のあいさつを交わしあう市民らは「北へ帰る季節ですね」の会話も。例年以上に長く感じられた冬も終わりを告げ、これから春本番を迎える。 (午前零時)
北帰行の途中、水田で羽を休める白鳥の群れ(20日午時2時半ごろ、大館市松峰地内で撮影)
※このページには広告を掲載しております。
 |