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令和7年(2024年)1月30日付
市長の不信任案可決

鹿角市の定例会開会

17議員中15議員「賛成」

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弁明する岸市長(左)と不信任提案者説明に立つ児玉議員

 

 市職員に対するパワハラ問題の渦中にある鹿角市の関厚市長の不信任決議案が、30日開会した2月定例市議会に提出され、起立採決の結果、賛成多数で可決した。

 関市長の言動によるパワハラ問題をめぐり、市が設置した第三者委員会は今月24日、12件がパワハラに認定する報告書を市に提出。これを重くみた市議会の議会運営委員会は30日午前、市長として不適任であるとして同日午後開会の定例市議会に不信任決議案を提出することに決めた。

 定例会冒頭で発言を求めた関市長は、「職員にはあらためて心よりお詫び申し上げる」などと述べつつ、みずからの給与削減など熟慮するとの意向を示した。

 続いて不信任決議案の提案者説明に立った児玉悦朗議員は、職員に対して長期間行ってきたパワハラを強く批判するとともに、「関市政のもとでは鹿角市の発展は期待できないというより、むしろ後退するものと判断せざるを得ない」とし、市議会は関厚市長を信任しないと結んだ。

 「弁明」を求めた市長は、第三者委員会の中立性に疑義があるとしつつ、令和7年度当初予算に基づく各種事業などを停滞させないためにも市長を続けることに理解を求めた。これに対し、枡屋修美副市長が市長発言に異を唱え、第三者委員会はあくまで中立、公平と強調。

 この後、戸田芳孝議員が不信任決議案賛成、笹本真司議員が反対の立場で意見を述べたのを経て起立採決を行い、出席17議員中、4分の3以上の15議員の賛成を得て不信任が決まった。これを受け、市長は辞職、自動失職、議会解散のいずれかを10日以内に選択しなくてはならない。また、定例会は31日から2月9日まで休会し、同10日午前10時に再開する。 (午後5時)

<関市長による冒頭の発言趣旨>
 さる1月24日に鹿角市パワーハラスメント事案に関する第三者調査委員会より私のパワーハラスメントに関する調査結果報告書が出された。報告書の内容は12件の事案についてパワーハラスメントに該当すると認定するものであり、大変重く受けとめている。私の言動による不愉快な思いや辛い思いをされた職員にはあらためて心よりお詫び申し上げる。大変申し訳なかった。

 また、第三者調査委員会設置等、市に多大な負担を発生させるとともに、行政に対する信頼を大きく失墜させてしまったことに深く反省している。市政の混乱が続き、大変市民には迷惑と心配をおかけしていることを心よりお詫び申し上げる。給料削減等の検討については、さらに熟慮して取りまとめをしていきたい。

<児玉悦朗議員の提案者説明趣旨>
関市長は令和3年7月3日に市長に就任したが、就任後の市政運営を見るに、市長としてのリーダーシップの発揮やステークホルダー(企業や行政機関、NPO法人など、利害や行動に直接・間接的に関係する人)との関係性の構築において、そのための努力と資質に大いなる疑問を感じざるを得ないとして令和5年12月22日に関市長に対する辞職勧告決議案が可決された。その後、関市長はこの決議を受け入れず、現在に至っている。

辞職勧告決議案の理由として5項目を列挙したが、その中のひとつに職員への影響を挙げていた。その後、関市長がパワハラ発言をしているのではないかという声を聞き、当局に調査を提案したところ、副市長を先頭に職員に対してアンケート調査が実施された。

調査結果をみると、就任当初から現在まで3年半にわたってパワハラが繰り返されていたことが露呈した。対象者273名、回答者257名中、パワハラまたはパワハラ的な言動を受けたことがあるや目撃したことがある職員が75名という驚くべき調査結果であり、自由記載の内容の中には「これで俺の言うことを聞かない奴は懲戒免職にしてやる」「お前、退職金をもらえなくしてやろうか」と耳を疑うような内容も記載されていた。

調査を実施した副市長は調査内容をおおむね事実であると認めたが、これに対して関市長は定例記者会見や議会冒頭で謝罪と称して発言したが、事件の当事者でありながら第三者委員会を立ち上げ真相を究明していくとの発言はアンケートの内容を事実として認めないということであり、とても謝罪したという内容ではなかった。

その後、実施された第三者委員会の調査結果が発表され、令和3年9月から6年6月までの12事案がパワハラと認定された。内容は衝撃的であり、中には令和5年9月8日の一般質問検討会後、十和田図書館建設工事に関し、「こういう時、霞が関では誰かが責任を感じてJRに飛び込んだり、ビルの上から飛び降りたりする」と発言したことで、これに対して関市長は発言をしたことは認めつつ自殺を促すような趣旨ではなく、逆に自殺者を出さないようにとの趣旨であったと弁明。報告書は関市長の発言が自殺防止の文脈で話されたものであったとは認められないと結論づけた。

この内容は、暗に自殺を促したととらえられても不思議ではない。この事案以外にも、筆舌に耐えがたい内容が多くあった。これらのことが市長就任当初から続いて発生していたことは、職員としても絶えがたいものだったと推察する。関市長みずから設置を認め、公費を使い行った第三者委員会での調査で、パワハラが大量に隠蔽されたことは言い訳などできるはずもない。パワハラは絶対に許されない行為である。この責任をどのように取るつもりなのか。

報道機関から責任の取り方を質問された際に、負の遺産を解消するために不退転の決意でがんばると発言していことを見るにつけ、とても反省しているとは思えない。もはや市長として職員との関係修復は期待できず、ましてや組織を統率して行政を前進することなどできるはずもない。

関市長。あなたはこの3年半、いったい何をやってきたのか。以上のことから関市長は、市のトップを司る市長としては不適任であることは明白であり、また、パワハラ問題では形式的な謝罪はしたものの自身の所業について頑なに非を認めない姿勢から判断するに今後も改善は望むべくもなく、関市政のもとでは鹿角市の発展は期待できないというより、むしろ後退するものと判断せざるを得ない。

本日、定例会初日に市長不信任決議案を提出することは、これから提案される議案、特に令和7年度当初予算審議に影響を与えることは承知しているが、市政の運営に支障が出ないような運営方法もあることを考慮した上で、このたびのあまりに大量なパワハラ行為と衝撃的な内容が第三者委員会で認定されたことで、この状態のままでは予算審議など市長に対して質問などできるものではない。一刻も早く関市長のパワハラ問題を解決することこそが、むしろ健全な市政運営に資するものと確信するものである。よって、本市議会は関厚市長を信任しない。以上、決議する。

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