仙台管区気象台は2日、秋田、山形の両県を中心に大きな被害を及ぼした7月24日から27日にかけての梅雨前線の大雨状況を公表した。秋田北地方関係は、北秋田市阿仁合で総降水量が主な地点の7番目に多い286ミリを記録。また、1時間、3時間、6時間、48時間、72時間の各降水量は同市阿仁合が最も多かった。
同期間は梅雨前線が華北から日本海を通って北日本にのび、前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んだ影響で、東北は大気の状態が非常に不安定となった。このため、本県や山形県で非常に激しい雨や猛烈な雨が降り続いた。山形県の庄内や最上を中心に400ミリを超えた所があったほか、積算解析雨量は秋田、山形両県の県境付近で局地的に約600ミリにのぼるなど記録的な大雨に。
また、山形県では線状降水帯が発生するなどこれまでに経験したことのないような大雨に見舞われ、25日午後1時5分に酒田市と遊佐町に、同11時40分に酒田市、庄内町、新庄市、舟形町、鮭川村、戸沢村にそれぞれ大雨特別警報を発表した。この大雨により広い範囲で土砂災害や河川の氾濫、内水氾濫が発生し、本県の湯沢市で行方不明者1人、山形県新庄市で死者2人、酒田市で行方不明者1人の人的被害があったほか、床上・床下浸水などの住家被害が多数発生。
同気象台が作成した7月24日〜27日の主な地点の総降水量は下段のとおりだが、秋田北地方の北秋田市阿仁合は由利本荘市東由利とともに286ミリを観測し、主な地点の中で7番目に多かった。
また、阿仁合は1時間降水量が94.5ミリ(7月25日午後10時1分)、3時間同が183ミリ(同11時40分)、6時間同が211ミリ(同26日午前1時50分)、48時間同が270.5ミリ(同26日午前9時)、72時間同が283ミリ(同27日午前9時)をそれぞれ記録し、いずれも主な地点で最も多かったほか、同地点の観測史上最多だった。 (午前零時)
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