今年上半期(1-6月)の県内倒産は、件数が過去2番目タイに少ない前年同期の2倍以上、負債総額が同1.5倍にのぼった。東京商工リサーチが5日公表した同期間の全国企業倒産状況で示されたもの。
上半期の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は件数が前年同期比889件、22%増の4,931件、負債総額が同2,130億3,800万円、22.8%減の7,210億4,200万円。
件数は3年連続で前年を上回り、2年連続で4,000件台に乗った。一方、負債総額は1億円以上5億円未満が前年同期比165件、20%増の989件、5億円以上10億円未満が同58件、50.4%増の173件と、中堅規模が拡大。
ただ、前年同期は純粋持株会社のユニゾホールディングス(負債1,261億9,800万円、4月)をはじめ100億円以上が8件発生したのに対して今年は4件に半減し、2年連続で前年を下回った。
産業別では卸売業の626件(前年同期比37.5%増)、運輸業の244件(同29.7%増)など仕入コストの上昇や燃料高の影響を受けやすい業種を中心に増加率が大きく、円安に伴う物価高や人件費上昇などのコスト増が中小企業の収益を圧迫している。
こうした中、政府の資金繰り支援策は経営改善や事業再生にシフト。コロナ禍で過剰債務に陥った企業や業績回復が遅れた企業は自立を迫られ、資金需要が活発になる秋口以降、資金調達が困難な企業を中心に倒産を押し上げる動きが強まりそう。
本県の上半期倒産件数は、平成31年(5月以降は令和)と並んで過去2番目に少ない前年同期の18件から39件へと2倍以上に、負債総額は同22億1,400万円から33億4,900万円へと1.5倍に、それぞれ拡大。それでも、負債総額は2年連続で東北最少だった。 (午前零時)
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