新型コロナの感染法上の分類を季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げて1年経過したとはいえ、秋田北地方の地域経済が本格的に回復するには依然ほど遠い状況の中、大館市比内、田代、花矢地区を中心に約400人の会員を有する大館北秋商工会(吉原秀吉会長)は20日、同市有浦の「プラザ杉の子」で6年度通常総代会を開いた。質問や発言が皆無のまま、全9議案を承認し、"スピード"閉会した。
通常総代会は商業、工業、建設、観光サービスの各部門総会を経て開き、総代120人のうち47人(委任状を除く)のほか発言や議決権のないオブザーバーの位置づけとなる会員らを含め、60人余が出席。
開会あいさつに立った吉原会長は「景気が緩やかに回復しつつあるものの、依然として多くの経営課題が存在する」と述べる一方、商工会成長プランが折り返しの時期を迎えたことを強調しつつ商工会活動への一層と理解と協力を求めた。
会長指名で議長に選ばれた田代地区の田村儀光氏が、事務局作成の進行文を読み上げる形で議事に入る旨を宣言。各議案中の5年度事業報告に伴う「大館北秋商工会アクションプログラム総括」では、「企業の挑戦を支える戦略的支援の推進」や「企業の持続的発展を促す支援の推進」など同商工会が掲げた11施策目標の過半数を占める6項目が「未達成」であることが事務局から報告された。
出席総代らからは質問や発言が一切ないまま「異議なし」の声が聞かれ、5年度事業報告を含む全議案を「シャンシャン」の拍手であっさり承認。各議案の説明、承認を終えると、審議が急ピッチで進んでいることをことさら強調するように田中議長は「予定より13分早い」などと複数回冗談めかしてマイクに向かって言い、出席者らの笑いを誘った。
最後の議案となる任期満了に伴う役員改選では、吉原会長が選んだ選考委員らが別室で協議し、理事の一部で新旧交代があったことなどを報告。総代会終了後は総代や会員、事務局職員らが交流会で「乾杯」に臨んだ。 (午前11時)
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