秋田犬保存会(本部・大館市)の第147回本部展覧会が3日、大仙市の大曲市民会館第2駐車場で開かれている。ハチ公生誕100年の節目を迎える中、今年は定番の大館市から県南に会場を移すという異例の事態に。それでも、多くの見物客が見守る中、出陳者らは日本一を目指して手塩にかけて磨き上げた愛犬をアピールするという例年と同様の熱い"戦い"を繰り広げている。
秋田犬展覧会の全国大会に位置づけた本部展は、毎年春季と秋季の2回開催。うち春季は、5月3日に秋田犬発祥地で忠犬ハチ公のふるさと大館市を会場とするのを定番としてきた。
しかし、第147回を数える今回は会場が大館市から離れるという異例の事態に。秋田犬保存会の本部事務局や展示室などを配する秋田犬会館(同市三ノ丸)の老朽化に伴う改修工事で同保存会が市に助成を求める請願をしたのに対し、市議会が不採択としたのが開催地移転の主因。
今年は、ハチ公生誕100年の節目。大館市やハチ公像がある東京都渋谷区などでは記念行事も計画される中、大館市民からは「大きな節目だからこそ、大館開催の意義も一層高まっていたのに」と落胆の声は少なくない。
例年、春の本部展には審査対象犬が牡部、雌部の幼犬B組から成犬までの各部門あわせて170匹〜180匹出陳してきたのに対し、今回は148匹(審査対象外となる参考招待犬、供覧犬計5匹を除く)のエントリーにとどまった。これについて本部展に足を運んだ関東地方のある支部長は「出陳頭数の減少は開催地が定番の大館市ではないことへの全国の会員らの不満の表れかも知れない」との見方を示した。 それでも、会場の大曲市民会館第2駐車場には多くの見物客が県内外から詰めかけ、午前中の第1審査(個体審査)経て、午後は第2審査(総合審査)に入る。 異例の事態とはいえ、秋田犬の正統的なスタイルである巻尾立耳や顔、構成、歯並び、毛の色、艶などを厳密に審査する例年と同様の光景。秋田犬そのものが良い状態に仕上がっていても、それを生かすも殺すも綱さばきが勝敗を大きく左右しかねないだけに、どのハンドラーも緊張の面持ちで愛犬の持ち味を審査員にアピールしている。 (正午)
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