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令和3年(2021年)9月3日付
「全力で市政を前進」

関市長が施政方針

鹿角市9月定例議会開会

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初の定例議会で施政方針を述べる関市長

 

 さる6月20日に初当選、7月3日に就任した鹿角市の関厚市長にとって初めての定例市議会が、3日開会した。24日までの22日間とする会期などを決めた後、市長は施政方針を述べるとともに行政報告をした。施政方針で市長は、選挙時に掲げた各公約の実現を強調するとともに、「鹿角の英知を結集し、全力で市政を前進していく」との決意をあらためて示した。施政方針の趣旨は次のとおり。 (午後3時半)

施政方針趣旨

 初めに、このたび大湯環状列石を含む北海道・北東北縄文遺跡群が世界遺産一覧表に登録されたことを、全市民とともに喜びたいと思う。この世界遺産登録は平成18年に青森県が同県の縄文遺跡群を、本市を含む秋田県がストーンサークルを文化庁に提案するところから始まり、それから16年の年月を費やして登録までこぎつけたもので、あらためてこれまでの長きにわたる関係各位の尽力に深く感謝を申し上げる。

 これにより本市では大日堂舞楽、花輪祭の屋台行事、花輪ばやしのユネスコ無形文化遺産に続き世界に認められた三つの遺産をもつことなり、今後国内外からの多くの観光客が訪れることが期待されるほか、世界でも類をみない貴重なまちとして注目されるので、大変喜ばしくありがたいことであるとともに、この地に住む者としてかけがえのない遺産を後世にしっかり受け継いでいかなければならないことを重く受けとめている。

 また、私は縄文時代とその文化のもつ意義について、より深く掘り下げてみる必要があるのではないかと考えている。縄文時代は、1万年以上にわたって平和で豊かな暮らしが続いた時代であり、輝かしく世界に誇るべき時代であり文化でもあると考えられ、今回の北海道・北東北縄文遺跡群の世界遺産登録の本当の意味は、実はここにあるのではないかと私は考えている。

 さらに、大湯環状列石縄文体験促進事業で委員として参加いただいている藻谷浩介氏は里山資本主義で知られているが、その提唱される中心となるのは、考えられる未来にわたって持続可能な森林資源を育てるということにあり、これはある意味、縄文時代の文化、縄文人の暮らし方に通ずるものがあると私は考えている。

 私はこれまで山林を主な仕事場としてきたので、森林資源には大きな魅力と可能性を感じているが、こうした持続可能な資源を育て、それを活かしたまちづくりを実現していくためには課題やハードルが多いことも事実である。しかし、本市は単独ではなく近隣の市町村あるいは隣接する県との共同プロジェクトとして動き出すことができれば実現の可能性が見えてくると考える。

 私は市長選挙に臨むにあたり、北東北ゴールド構想を提案した。鹿角はかつて金、銀、銅を豊かに産出した「北方無比の天啓の地」であり、北東北の中心であったようにこれからも中心であり続けなければならないと考えている。北東北ゴールド構想にはこれらの歴史、伝統、文化の背景と未来への展望を込めている。

 こうした中心理念と展望をもって私は公約に五つのビジョンを掲げているが、市政の推進にあたってはその策定の過程で多くの市民の意見が反映された第7次鹿角市総合計画との調和を図りながら公約の実現を目指していくので、以下、その基本方針について申し上げる。

 初めに、市民との対話、交流を盛んにし、透明で活力ある市政を実現について。選挙期間中、市内をくまなく駆け回り、多くの市民からまちづくりに関するさまざまな意見をちょうだいした。これまでの市政を評価する声が上がる一方で、地域経済の低迷に加え、高齢者福祉や子育て支援の充実など直面する諸課題への不安のほか、将来を期待できる鹿角市にしてほしいといった多くの思いを実感した。

 こうした市民の声や思いを市政に反映させるため、私は市民との対話を市政運営における基本姿勢に据え、対話を通じて交流を促進し、鹿角の総力を結集させていくことによって透明で活力あるまちづくりに取り組む。

 次に県、隣県、国とのパイプを強化し、北東北の経済圏の確立について。地方分散型社会に移行する潮流の中で新しい人の流れと、人と地域とのつながりを確保するとともに、情報通信産業のほか地熱、水力、風力といった豊富な電力資源を最大限に活かした再生可能エネルギーの活用などによる付加価値の高い新たな産業を創出するため隣県や他の市町村、各種団体などと情報共有を図る。

 また、北東北3県の中央に位置する地理的条件を活かし、近隣市町村との連携を強化することにより、地域経済の成長に結びつける。農林業については、安定的な経営と後継者の確保を図るため、複合化や多角化を図るための新たな設備導入やICT(情報通信技術)の活用を支援するほか、冷涼な気象条件を活かした野菜、花き、果樹、畜産等を組み合わせた複合経営の推進と鹿角北限の桃、鹿角牛、淡雪こまち(コメ)などブランド作物の生産拡大を図りながら、所得の向上に資する取り組みを展開する。

 商工業については新商品の開発、販路拡大、情報発信、にぎわいづくりに意欲的に取り組む事業者や組織等を支援するとともに、生産性や付加価値の向上のための先端技術や設備の導入などに対してハード、ソフトの両面から支援する。

 観光については、恵まれた観光資源や歴史文化遺産を活かした滞在型の観光を確立させることにより、交流人口の拡大とにぎわいの創出を図り、外貨の獲得を目指す。

 次に、医療・福祉を充実させ、誰もが安心して暮らせる鹿角をつくる、について。本市では65歳以上の高齢者人口が令和3年をピークに減少に転じているが、令和7年にはいわゆる「団塊の世代」のすべてが75歳以上になることから後期高齢者人口が増加し、これまで以上に介護ニーズが高まると予想される。

 高齢になっても住み慣れた地域で可能な限り自立した日常生活を営むことができるように、介護予防や健康づくりの取り組みを強化することで健康寿命の延伸を図るとともに、必要な副次サービスの充実と提供を進める。

 医療については、産婦人科などの医師不足の解消が最優先の課題なので、地域に必要な医療の維持、充実のため、医療機関等と連携して医師確保策の取り組みを強化するとともに、必要な時に適切な医療が受けられるよう地域医療体制の構築に努める。

 また、本市の未来、将来を担う若者が希望をもって暮らすことができるよう働く場を確保するほか、結婚、出産、子育てができる環境づくりと支援体制のさらなる充実を図る。

 次に、女性と若者の声を反映させ、協働して未来に輝く鹿角をつくる、について。本市の人口動向をみると、若年層や子育て世代の女性が市外に流出している状況にあり、これから先、将来にわたって本市が持続可能で活力のあるまちであり続けるためには、特に女性と若者に選ばれるまちづくりが重要となる。

 そのためにはまず、進学や就職でいったん市外に転出した若い世代に「ふるさとに戻って来たい」と思ってもらえるよう、高校卒業までの間に郷土を愛する心を育むことが重要であると考えており、キャリア教育 (キャリアを活かして現在や将来を見据えることなどを主眼とする教育)やふるさと教育を推進しながら職業感や郷土愛の醸成につなげていくことによりふるさとを誇り、地域に貢献しようとする強い意志を育む教育をさらに進めていく。

 また、鹿角の歴史、産業、伝統、文化などについて学ぶ機会を創出するほか、域学連携による大学などの知の活用や学びの実践を通じてその成果を地域に還元する仕組みづくりにより、若者の人材育成に努める。

 地域を支える人材については、人口減少や少子高齢化の進展に伴い、地域活動の維持が困難になっていくことやコミュニティーが弱体化することが懸念される状況となっている。このため、コミュニティーの維持に欠かすことができない自治会の基礎的な活動や活動拠点の整備を支援するとともに、集落の再生や地域づくりを担う地域人材等の確保、育成を進める。

 また、地域の貴重な伝統文化の保存、継承により、地域文化の向上を図るとともに、芸術文化に親しむ機会を創出することで新たな担い手の育成につなげていく。

 豊かな自然と伝統文化を活かし、品格と風格のあるまちをつくる、について。十和田八幡平国立公園の豊かで美しい自然と世界文化遺産などの魅力が調和した品格と風格のあるまちにしていくために、都市基盤の整備を進める。

 土地利用については、都市計画マスタープランや景観計画を基本に中心市街地の活性化に取り組みながら地域経済の維持、増進に寄与するコンパクトなまちづくりを推進する。

 道路交通網については、交通量をもとに整備の必要性を検討し、幹線道路の整備を進めるとともに冬期間の安全かつ円滑な除排雪体制を維持し、道路交通の安全を確保する。

 また、上下水道の計画的な更新と維持管理を進めるほか、消防、救急、防災に関する施設や資機材等を計画的に整備し、市民の安全安心を確保する。

 居住環境については、公営住宅や公園の適正な維持管理を行うとともに、老朽化した公共施設については存続や廃止のあり方を検討し、将来的な財政負担の軽減を図る。加えて、観光、教育文化、スポーツの活動拠点の連携を図りながらさまざまな世代や都市との交流を促進し、にぎわいを創出する。

 私は市民との対話を重視し、いただいた市民の声や意見を集約し、地域課題の優先順位を見極め、効果的に施策を推進したいと考えているが、そのためには国、県とのパイプを強固することと、近隣自治体や関係団体との結びつきを強めていくことが重要であり、その考えは市長就任後一層強くしている。

 市長として目指すところは、第7次総合計画に掲げる将来都市像の実現による本市の発展と市民福祉のさらなる向上なので、議員をはじめ市民とともに議論を深め、鹿角の英知を結集し、全力で市政を前進していくので、指導、鞭撻を心からお願いする。

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