2009年6月28日付
児玉氏、堂々再選果たす

鹿角市長選挙

石川氏、猛追するも及ばず

鹿角市長選開票結果

当選 児玉 一 (62)無・現  11,199

次点 石川 徹 (44)無・新 9,589

柏木修次 (61)無・新 361
 

○当日有権者数29,878(男13,748、女16,130)○投票者数21,331
○有効21,149○無効182○持ち帰り0○不受理0
○投票率71.39%(男70.77%、女71.92%)

 任期満了に伴う鹿角市長選は、28日投票が行われ、同日午後8時15分からの開票作業の結果、現職の児玉一氏(62)=花輪字古館68の8・無所属=が、前市議の石川徹氏(44)=十和田錦木字浜田11・同=、元病院臨床検査技師で無職の柏木修次氏(61)=花輪字八正寺22の38・同=をそれぞれ退け、堂々再選を果たした。 (第1報:午後9時43分)

 児玉氏は「産業力」「地域力」「定住力」の向上を前面に押し出した7つの公約を掲げながら、雇用拡大をはじめとする「実践6プロジェクト」を有権者にアピールし、5分刻みの過密なスケジュールを組んで遊説に臨んだ。地元の県議や市議らの支援も得たほか、7支部を数える後援会など磐石の組織体制と4年間の実績に対する評価が再選に結びついた。当選後のあいさつで同氏は、緊急の課題である経済雇用対策などに取り組む決意を示し、気を引き締めた。

 「現場主義で閉塞感を打破しよう」と訴えた石川氏は、遊説コースを「前夜に決める」臨機応変な戦略で、「外に出てきた人に細かく対応できるから」と自転車を多用した。街頭では、市民に向かって朝夕のあいさつも。「東北一若い市長を誕生させる会」の後押しを得たほか、「市を変えてほしい」と求める有権者の声も多かったものの、組織力に勝る児玉氏に1,610票差で屈した。

 「不況を耐えぬくための雇用を図る」「医師不足の解消」などを訴えた柏木氏は、今回が3度目にして最後の市長選。軽ジープのハンドルを握りながら縦横無尽に市内を駆け巡り、農村部を中心に精力的に遊説を繰り広げるなどして支持を求めた。3回の選挙ともまったく組織を持たない姿勢を貫きつつも、「選挙は組織力」の風潮がさらに強まる中、今回も惨敗の憂き目をみた。

 投票率は71.39%で、49.39%と過去最低を記録した17年の前回選挙を大幅に上回ったものの、前回に次ぐ過去2番目の低さだった。

<再選を果たした児玉氏の略歴> 
 鹿角市花輪生まれ。十和田高卒。家業の農業、旧花輪町役場の臨時職員を経て、昭和45年4月に同町に正式採用。市制施行後、総務部財政課長、総務部次長、市民福祉部同、産業振興部同、産業部長、総務部長、助役などを歴任。故佐藤洋輔元市長の病気辞任に伴って行われた17年7月の選挙で初当選。全国国土調査協会副会長。