鹿角市長選挙 石川氏、猛追するも及ばず
任期満了に伴う鹿角市長選は、28日投票が行われ、同日午後8時15分からの開票作業の結果、現職の児玉一氏(62)=花輪字古館68の8・無所属=が、前市議の石川徹氏(44)=十和田錦木字浜田11・同=、元病院臨床検査技師で無職の柏木修次氏(61)=花輪字八正寺22の38・同=をそれぞれ退け、堂々再選を果たした。 (第1報:午後9時43分) 児玉氏は「産業力」「地域力」「定住力」の向上を前面に押し出した7つの公約を掲げながら、雇用拡大をはじめとする「実践6プロジェクト」を有権者にアピールし、5分刻みの過密なスケジュールを組んで遊説に臨んだ。地元の県議や市議らの支援も得たほか、7支部を数える後援会など磐石の組織体制と4年間の実績に対する評価が再選に結びついた。当選後のあいさつで同氏は、緊急の課題である経済雇用対策などに取り組む決意を示し、気を引き締めた。 「現場主義で閉塞感を打破しよう」と訴えた石川氏は、遊説コースを「前夜に決める」臨機応変な戦略で、「外に出てきた人に細かく対応できるから」と自転車を多用した。街頭では、市民に向かって朝夕のあいさつも。「東北一若い市長を誕生させる会」の後押しを得たほか、「市を変えてほしい」と求める有権者の声も多かったものの、組織力に勝る児玉氏に1,610票差で屈した。 「不況を耐えぬくための雇用を図る」「医師不足の解消」などを訴えた柏木氏は、今回が3度目にして最後の市長選。軽ジープのハンドルを握りながら縦横無尽に市内を駆け巡り、農村部を中心に精力的に遊説を繰り広げるなどして支持を求めた。3回の選挙ともまったく組織を持たない姿勢を貫きつつも、「選挙は組織力」の風潮がさらに強まる中、今回も惨敗の憂き目をみた。 投票率は71.39%で、49.39%と過去最低を記録した17年の前回選挙を大幅に上回ったものの、前回に次ぐ過去2番目の低さだった。 <再選を果たした児玉氏の略歴> |