鹿角市長選挙 柏木氏、2度目の挑戦もならず
佐藤洋輔前市長の病気辞任に伴う鹿角市長選は、3日投票が行われ、同日午後8時15分からの開票作業の結果、前市助役で無職の新人児玉一氏(58)=花輪字古館68-8・無所属=が、元鹿角組合総合病院臨床検査技師で無職の新人柏木修次氏(57)=花輪字八正寺22-38・無所属=を退け、当選を果たした。 (前文:3日午後9時4分速報) 行財政改革や少子高齢化、観光推進などが市の課題となっている中での選挙戦ながら、前市長の辞任からわずか40日しかなかったこともあり、今選挙は各候補が出馬表明をした後もまったく低調なムードで推移。先月26日の告示後も盛り上がりに欠け、過去最低だった前回選挙を28.89ポイントも下がる49.39%の投票率に甘んじ、有権者の2人に1人が投票所に足を運ばなかった。前回に比べ、投票者数は9,313人減。 初陣を飾った児玉氏は、街頭演説を精力的にこなす手法で選挙戦に臨んだ。1日に5回前後マイクを握り、商店街などでは100人を超える動員も。農村部でも好感触を得て、着実に票を重ねた。市議会最大会派である鹿明会や市内最大の労組、市職労の後押しなど組織的な応援も大きく加勢した。 一方、2度目の苦杯をなめた柏木氏は、小路などもくまなく回り、車上から訴える戦術を展開し、前回選挙の得票数に1,523票上乗せした。「鹿角組合総合病院の移転問題で、商業地と市街地の狭間に立たされた農家から温かい支援を受けた」と、農村部での評価の高さを実感した。しかし、複数の組織が後押しした児玉氏と対照的に、組織的な後ろ盾は皆無。 "孤軍奮闘"に限界があることをまたも痛感させられ、児玉氏に1万1,092票の差をつけられるなど、前回同様、互角の戦(いくさ)とはほど遠い結果に。有権者の間からも「まったく勝負にならない」との声が早くから聞かれ、首長選を乗り切るには組織的支援が必須であることを、今選挙でも浮き彫りにした。 初当選を果たしたとはいえ、「部長や助役時代に鹿角を活性化できなかったのだから、児玉氏が市長になってもさしたる期待はできない」との理由で投票所に足を運ばなかった有権者もおり、5代目市長となる児玉氏にとっては課題の多い船出だ。(本文:4日午前零時) <初当選した児玉氏の略歴>
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