第20回参院選、秋田選挙区 現職の斉藤氏、猛追及ばず
第20回参院選は11日、県内1,141カ所の投票所で投票が行われ、即日開票の結果、秋田選挙区(改選数1)は無所属新人の鈴木陽悦氏(55)=民主党、社民党推薦=が堂々初陣を飾った。元アナウンサーの鈴木氏は、広く茶の間に知られているという強みを発揮しながら着実に支持層を拡大し、現職に大差をつけて勝利をものにした。 秋田選挙区には、鈴木氏、共産党県委員会常任委員で新人の今川和信氏(39)、自民党の現職斉藤滋宣氏(51)=公明党推薦=の3氏が立候補。本県でも年金制度改革とイラク多国籍軍への自衛隊派遣問題に加え、3年余にわたる小泉改革路線に対する評価が最大争点となり、17日間にわたって激しい戦いを繰り広げた。 初当選を果たした鈴木氏の大きな"武器"は、今春まで県内のテレビ局でアナウンサーをしていたのに伴う抜群の知名度。「声の集配人」をアピールしながら同氏は、年金、イラク両問題に真っ向から切り込み、現政権に痛切な批判を加え続けた結果、無党派層の取り込みにも成功し、現職斉藤氏の追撃を振り切った。 「当選確実」の報を得て午後8時50分前に秋田市山王の選挙事務所に姿をみせた鈴木氏は、大勢の支持者らの前で「秋田の活性化のために全力を尽くします」と満面の笑みで"宣言"した。 対する斉藤氏は、小泉首相が2回駆けつけたのをはじめ、安倍晋三幹事長や石原伸晃国交相など大臣らが次々と本県入りして加勢。しかし、年金問題に対する批判がことのほか多かったのも逆風となり、終始厳しい戦いを強いられ敗北の苦渋を味わう結果に。 また、今川氏も鈴木氏と同様、年金、イラク問題を痛切に批判するとともに、自民、民主の2大政党化への批判論も精力的に繰り出したものの、まったく集票に弾みがつかず、初陣を飾ることができなかった。投票日現在の有権者数は96万4,115人。最終投票率は65.32%で、前回選挙を4.59ポイント上回った。
秋田北地方各市町村の得票数は次のとおり。
市町村
鈴木氏 斉藤氏 今川氏
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