鹿角市長選挙 現職、新人2人に圧勝
12年ぶりの三つどもえ戦となった鹿角市長選は、18日投票が行われ、同日午後9時からの開票作業の結果、現職の佐藤洋輔氏(60)=八幡平字松館46・無所属=が、NPO法人会長の小笠原充宏氏(47)=十和田大湯字川原ノ湯12-15・同=、元病院臨床検査技師の柏木修次氏(56)=花輪字八正寺22-38・同=ら新人2氏に圧勝し、堂々再選を果たした。投票率は初めて80%を割り込み、過去最低を記録した。 次点の小笠原氏に4,510票もの大差をつけて圧勝した佐藤氏は、昨年12月の定例市議会で2選出馬の意向を表明し、後援会(関良子会長)もフルに動員しつつ、初陣を飾った平成12年の前回選挙時の組織固めと支持者拡大強化に成功。自民党、公明党、地元商工会、JAなどの推薦や市政与党議員らの応援も追い風となったほか、1期目に対する実績評価や、第5次市総合計画を推進しながら産業振興に全力で取り組むといった決意が有権者の支持を得た。 一方、年明けもない1月9日に出馬を表明した小笠原氏は、出遅れと知名度の乏しさを挽回しようと市内一円を精力的に訪問し、財政難や所得低下を背景とする現市政への批判色を前面に押し出しながら「市民の手に市政を取り戻そう」と呼びかけ、支持拡大を狙った。連合秋田鹿角地区連絡会、同地区平和運動推進労組会議、民主党鹿角支部、社民党鹿角地方協議会などの推薦も取りつけたほか、「鹿角に若いリーダーを」と望む支持層の票も集めたものの、最後の詰めが今ひとつ甘く、組織力で勝る現職の鉄壁を突き崩すには至らなかった。 さらに、先月12日の立候補予定者事前説明会への出席によって初めて出馬が明らかにされた柏木氏も、財政難を強く指摘しながら、住民投票に基づいた鹿角、大館、小坂、比内、田代の2市3町合併による強い自治体づくりを呼びかけた。しかし、何といっても知名度不足が致命的。また、組織だった運動を展開した2氏と対照的に"孤軍奮闘"の選挙運動を繰り広げたことが一部の有権者の支持につながりはしたものの、2氏とは比較にならない得票数にとどまり、同氏自身、"後ろ盾"のない選挙戦がいかに厳しいものであるかを痛感せざるを得ない結果に終わった。 今選挙の投票率は前回選挙より5.18ポイント低い78.28%どまり。これまで最も低かった平成4年の81.36%をさらに下回り、最低記録を更新した。(午前零時) 再選を果たした佐藤氏の略歴
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