800票近い差、現職の5選ならず 合併問題、今後の展開に注目
24年ぶりの一騎打ちとなった比内町長選は、7日投票が行われ、同日午後8時からの開票作業の結果、新人で前町議の佐藤賢一郎氏(56)=大葛字大葛家後20・無所属=が、現職の大沢清治氏(69)=扇田字上扇田81-1・無所属=の5選を阻み、見事初陣を飾った。今選挙で佐藤氏が勝利をおさめたことにより、1度「自立」の道を選んだ比内町の合併問題は、まさに混沌としてきたといえそう。 合併問題やひっ迫した財政、産業振興など課題が山積する同町の町長選は、有権者にとっても町の将来を決める重要な位置付けに。両候補のうち大沢氏は、県議会議員を経て4期16年にわたって町政を担ってきた実績に対しては一定の評価こそされていたものの、町民意向調査で「合併反対」がわずかに過半数に達したことで「自立」を決意したことへの批判は少なくなかった。 批判者の急先鋒に立って出馬したのが佐藤氏で、「現町長の放漫な町財政運営」と断じつつ約70億円に膨らんだ「町の借金」を指摘し、財政破綻を回避する町づくりを強調。その上で、合併の是非に向けて住民投票を行うことなどを公約に掲げて真っ向から現職に戦いを挑んだ。 出馬表明が出遅れたことなどを背景に、立ち上がりの感触はやや厳しかったものの、後半になって居住地の大葛地区や女性層、青年層を中心とする支持拡大に成功。大沢氏の票に上滑り傾向がみらたのも新人佐藤氏の追い風となり、798票の大差をつけて大沢氏の5選を阻んだ。 佐藤氏は、合併に対してはもっと議論を尽くすべきとの考えを一貫して示してきている。同氏の公約の中にある「住民投票」の結果しだいでは、1度立ち消えとなった大館市、田代町との合併が再浮上することもあり得るだけに、同町に対しては今後目を離せない状態が続きそうだ。 (午後9時半速報) 町議選の開票結果
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