第43回衆院選、秋田2区 3新人、善戦空しく追撃及ばず
第43回衆院選は9日、投・開票が行われ、秋田北地方を含む秋田2区は野呂田芳成氏(74)=自民・前=が3新人をまったく寄せつけず、貫禄で7選を飾った。同氏は、前回選挙でトップを取れなかった大館市でも圧倒的な強さを発揮し、同地方10市町村すべてで首位の完全勝利を果たした。 平成12年6月以来3年4ヵ月ぶりとなった今衆院選は、現連立政権の継続を目指す自民・公明・保守新の与党3党、政権交代を訴える旧自由党と合併した民主党を中心とする野党という構図の中で「政権選択」が最大の争点に。こうした中、秋田2区では山本喜代宏(47)=社民・新=、佐々木重人(33)=民主・新=、野呂田芳成(74)=自民・前=、明石喜進(62)=共産・新=の4氏が、政権公約とともに政権交代の是非を有権者に強くアピールしながら、先月28日の公示から8日までの12日間、激しい選挙戦を繰り広げた。 新人3陣営は、6期の中で培った実績と"鉄壁"の組織力を誇る野呂田氏の票を、何とかして切り崩そうと奮闘。しかし、新たに2区に編入された男鹿市と南秋田郡でも同氏がすでに高い知名度を誇っているほか、秋田北地方10市町村の首長全員をはじめ、2区の市町村長26人の支持はもとより、大館、鹿角、北秋田の各選挙区をはじめとする10人の県議会議員の全面的な応援も得て7選に臨んだ野呂田氏は、まさに磐石の布陣。午後8時過ぎに早々と当確を決めた同氏は、支持者らが詰めかける選挙事務所で「皆さんに約束したことを実行するために、何としてもがんばる」とあらためて決意を示した。 終盤に入ってからは、「野呂田氏楽勝」のムードが有権者の間にも高まってきたため、同氏の陣営は票の横滑りを警戒して引き締めにかかり、取りこぼしを最小限に抑えて堂々大臣経験者の貫禄を示して選挙戦を締めくくった。地域がより広範囲になった2区の中で、今一つ知名度の低さを克服できなかった新人3氏は、票の積上げに最後まで苦戦を強いられ、いずれも鉄壁の野呂田票を切り崩すことができなかった。 気になるのは、今回の投票率。県平均では平成12年の前回を3.39ポイント下回る66.74%にとどまり、戦後2番目の低さとなった。小選挙区別では、1区59.72%、2区66.14%、3区72.18%。このうち2区は、今選挙から男鹿市と南秋田郡が従来の1区から2区に編入されたため純然たる比較はできないものの、投票率だけでみると昭和50年以降これまで最も低かった68.88%をさらに下回った。
|