2018年6月5日付
被害金全額回収に注力
 
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福原市長

扇田病院着服事件で

福原市長が行政報告

大館市の6月定例議会開会

 大館市の6月定例議会は5日招集され、会期を21日までの17日間と決めた後、福原淳嗣市長が行政報告に臨んだ。この中で市長は昨年6月に市立扇田病院で発覚した外来診療費着服事件の現時点の状況を説明するとともに、「今後も刑事、民事両面で早期の解決に努めるとともに、被害金はこれまで同様、全額回収に向け注力する」との決意をあらためて示した。

 初日上程案件は30年度一般会計補正予算案、工事請負契約の締結案など15議案のほか、専決処分の承認4件、報告14件。うち同予算案は5億189万3000円を追加し、当初からの累計を336億9067万8000円とする。

 また、工事請負契約締結案は旧正札竹村本館棟解体工事を伊藤羽州建設(石山清武社長・本社大館市)と3億2508万円で契約するもの。主な行政報告内容は次のとおり。(午後3時)

<5月18日から19日にかけての大雨による被害状況等> 東北地方を通過した低気圧や前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んだ影響で、市内は18日昼前から19日未明にかけて大雨となった。この間、市全域で断続的に強い雨が降り、アメダス大館観測所では5月の観測史上最多となる日降水量125ミリを記録し、市内の全河川の水位も上昇した。

 市は、18日午後6時25分に土砂災害警戒情報が発令されたことを受け、同日午後6時30分に災害警戒対策室を設置し、国や県からの情報をもとに職員間で情報を共有しながら警戒に当たるとともに、私自身も19日早朝、米代川を中心に状況視察を行った。

 また、坂能代河川国道事務所長からは、18日午後2時ごろから災害対策現地情報連絡員(リエゾン)派遣の打診や、水位上昇見込み情報のホットラインをたびたびいただいた。的確な水位関係の情報は大変ありがたく、市が取るべき対応策の準備を滞りなく行うことができたと考えている。

 5月31日現在の被害状況は、道路や河川、河川敷の被害が21カ所、農地や農業用施設、林道の被害が12カ所、農地等の冠水が30.6ヘクタールなどとなっている。人的被害が出なかったことが何よりで、各機関の活動に対し、厚く感謝申し上げる。

 なお、緊急に対応が必要な復旧工事については、取り急ぎ既定予算で対応しているが、復旧費用を精査の上、今定例会に関係予算を追加提案する予定。

<第6次行財政改革大綱の実施状況> 平成28年度からスタートした第6次行財政改革について、3つの基本方針ごとに29年度の主な実施状況を報告する。1点目の「市民が活躍できるまち」では、市政情報の透明性を確保するため、「住民意見等の見える化」として、市の対応状況をホームページで公開したほか、市総合戦略の推進に協力してもらうことを目的に、秋田銀行及びみちのく銀行と「地方創生に係る協定」を締結した。

 2点目の「信頼される行政サービス」では、行政サービスの充実、向上のため、窓口業務のワンストップ化として、子育てワンストップサービスの電子申請を開始したほか、来春予定している市税等のコンビニ収納及び各種証明書のコンビニ交付の実施に向けて作業を進めている。

 3点目の「将来に向けた健全な財政運営」では、基金の運用により5,200万円を超える利子収入を得て歳入の増収を図ったほか、ふるさと納税推進のため実施した返礼品送付に使用するPR付段ボール箱の導入やポータルサイトの充実などにより、寄付額の大幅な増額につながっている。また、公共施設の適正管理のため、公共施設等総合管理計画に基づいた個別施設計画を策定した。

 こうした取り組みにより、4年間の計画期間で設定した全54項目の推進課題のうち、29年度までに半数の27項目について目標を達成するなど、一定の成果をあげることができた。今後も限られた行財政資源を有効に活用し、より効果的な運用を図りながら、「持続可能なまちづくりのための行財政運営」を基本として、これまでの成果を踏まえつつ、引き続き新たな改革に取り組んでいく。

<平成29年度の決算見込み> 一般会計の決算状況は、歳入総額378億800万円、歳出総額359億3,600万円で、歳入歳出差引額は18億7,200万円と見込んでおり、30年度への繰越財源を差し引いた実質収支額は16億3,500万円となる見込み。

 主な事業成果としては「長根山陸上競技場整備事業」「市営新町・中町住宅建替え事業」が完了したほか、「道路・橋梁の改良事業」「あきた未来づくりプロジェクト事業」「小・中学校施設エアコン整備事業」「市民文化会館等の社会教育施設整備事業」などを計画的に実施している。

 各企業会計の収益的収支の決算状況は、水道事業会計で1億1,700万円、工業用水道事業会計で500万円の単年度純利益、また、下水道事業会計で5,600万円の単年度純損失をそれぞれ見込んでいる。

 病院事業会計は、総合病院で3億300万円、扇田病院で3,900万円の単年度純損失を見込んでいるが、引き続き徹底した経費節減を図りながら、地域包括ケア病棟の病床利用率向上などによる収益確保策に取り組むとともに、新たな施設基準の取得や医師確保対策を進め、病院経営基盤の安定、強化に努める。

<環境マネジメントシステムの取り組み状況> 平成29年度の主な結果のうち「環境汚染の防止」は、大館市EMSネットと共同で開催した大館市エコフェアや大館ライトダウンデーなどの事業を通じて環境意識の浸透、高揚が図られ、17項目中、16項目で目標を達成できた。

 また、22年度対比で、電気自動車の導入などにより公用車燃料使用量が13%減少したほか、電力使用量が22%削減されるなど、トータルでは約200トンの二酸化炭素が排出抑制され、額にして1,260万円の経費削減が図られた。

 「自然と共生し、安全・安心に暮らせるまちづくり」では、合併浄化槽設置基数、公共下水道水洗化戸数について順調に目標を達成している。「持続可能なまちづくり」では、ペットボトルキャップリサイクル事業、コンポスト事業の目標を達成し、特にこでん回収事業は回収ボックスに入らないサイズのものをエコプラザで回収し始めたことや、「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」のPR効果などにより、目標を大幅に上回った。

 さらに今年度からは比内中学校、南中学校での回収が始まり、地域と一体となった取り組みも進められており、さらなる回収量の増加が期待される。市は今後も環境マネジメントシステムを活用して、環境負荷の低減に努める。

<農作物の生育状況> 基幹作物である水稲は、平年より2日早い4月16日から播種作業が始まり、育苗期間中は低温と高温が周期的に訪れ、寒暖差が大きくハウスの温度管理が難しい状況だったが、出芽揃いは良好。耕起作業は、4月下旬に好天が続き平年より2日早く作業が進んだが、田植作業は5月20日ごろから始まり、5月22日には盛期を迎え、終期は5月30日と平年どおり。

 野菜のうち枝豆の播種作業は、平年並みの4月25日から始まり順調に進んでいる。アスパラガスの春採りは平年より5日早い5月1日から収穫が始まり、同1週間早い5月13日から17日にかけて収穫のピークを迎え、品質の良い物が多く収穫されている。山の芋の定植作業は同3日早い4月28日から始まり、平年並みの今月上旬までに終了する見込み。ネギの定植作業は平年どおり4月20日から始まり、今月中旬までに終了する見込み。

 果樹は、4月下旬の好天でナシの開花時期は平年より4日早い4月30日から始まり、開花量は十分な状況。リンゴも同4日早い5月7日から開花が始まったが、主力品種のふじは開花時期に気温が低かったため、結実の不良が懸念される。今後も気象動向を見極め、農作物の管理を徹底するよう注意喚起するとともに、JAなど関係機関と連携して対応する。

<地域経済・雇用対策> ハローワーク大館管内の有効求人倍率は、平成27年5月以降1倍台が続いており、今年4月には1.39倍と昨年同期との比較で0.15ポイント増加。こうした中、市が29年度に開設したハローワークと一体となって職業紹介を行う「職の窓口 活Jobおおだて」には942件の相談が寄せられ、145人を就職に導いたほか、「高齢者活躍支援協議会」による高齢者と企業とのマッチング支援などを通じ、42人を就職に結びつけることができた。

 今春の新卒者の就職状況は、市内の高校、秋田職業能力開発短期大学校、秋田看護福祉大学の全新卒者が就職し、7年連続で就職率100%を達成したが、依然として若者の地元定着が喫緊かつ重要な課題であることから、5月22日には大館商工会議所と大館北秋商工会に対し、「早期の求人提出」と「採用枠の拡大」を要請した。

 一方、29年度の各種事業の実績は、地元企業の人材確保と若者の定住促進を目的に昨年度創設した「奨学金返還助成事業」は大館市に就職・定住した11人を助成対象として認定したほか、市とともに奨学金返還を支援する「賛同企業」に15社の参加を得た。

 「資格取得支援事業」は中小企業在職者、求職者など221人のスキルアップを支援し、「創業支援事業」は5人の創業につなげることができた。さらに、昨年度創設した「新技術・新商品開発等支援事業」は、地域資源を生かした商品開発や販路開拓などの事業活動9件を支援。

 条例に基づく指定工場は、4月1日現在で73事業所、従業員数が5,283人となり、昨年同期比で119人増加した。市は、今年度創設した「地域産業担い手確保支援事業」や「ものづくり力向上支援事業」などにより、地元企業の人材確保や在職者のスキルアップ、競争力向上などをさらに推進し、引き続き地域経済の活性化に取り組む。

<扇田病院着服事件の進捗状況> 昨年6月に扇田病院で発覚した外来診療費着服事件は、県警本部に対してさる5月6日に被害届を、5月8日に告訴状を提出し、それぞれ同日付で受理された。これにより、刑事事件の捜査も一層進展するものと考えている。

 一方、損害賠償を求めて提訴した東北ビル管財株式会社との民事訴訟は、1月25日の第1回口頭弁論以後、3月20日、5月22日にそれぞれ弁論準備手続きを行っており、今後、同様の手続きを何度か経た後に裁判所の判断が下されるものと考えている。

 なお、株式会社ニチイ学館との損害賠償交渉は、遅延損害金等の額について現在も協議中で、弁護士と相談しながら早期の決着を図っていく。今後も刑事、民事両面で早期の解決に努めるとともに、被害金はこれまで同様、全額回収に向け注力する。

<弘前地区消防事務組合との消防相互応援協定の締結> 平成28年12月に発生した新潟県糸魚川市の大規模火災の経験から、県境にある小規模消防本部の場合、隣県の消防本部からも応援を受けられる体制を整えることが有効とされている。過去4度の大火を経験し、住宅密集地を抱える大館市も体制の見直しが必要と考え、さる5月11日、弘前地区消防事務組合と「消防相互応援協定」を締結した。

 同組合とはこれまで、「救急業務相互応援協定」により県境周辺で発生した救急事案に対応してきたが、今協定の締結により、従来の救急事案への対応に加え、大規模火災等が発生した場合、受援側の要請を待たずに応援側の消防長の判断による出動が可能になるなど、両消防本部の県境を越えた連携がさらに強固かつ迅速なものとなった。今後も、より広域的な視点で防災力・減災力の向上を図り、市民の安全・安心の確保に努める。