2016年11月30日付
基本設計に市民の声反映
 
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福原市長

本庁舎建設事業

福原市長が行政報告

大館市の12月定例議会開会

 大館市の12月定例議会は29日招集され、会期を来月15日までの17日間と決めた後、福原淳嗣市長が行政報告に臨んだ。この中で市長は本庁舎建設事業の進捗状況について、さる10月11日に久米・秋田県協同組合設計共同体と基本設計業務の契約を締結した旨を報告するとともに、市民の声を基本設計に反映する考えをあらためて強調した。

 初日に上程した案件は、28年度一般会計補正予算案を含む25件と報告2件。うち同予算案は4億7,827万7,000円を追加し、歳入、歳出の累計を335億9,562万円とする。主な行政報告内容は次のとおり。  (午前零時)

<本庁舎建設事業の進捗状況> 8月29日の本庁舎建設基本設計業務プロポーザル審査委員会で株式会社久米設計東北支社が、最優秀提案者として選定された。市は、代表企業となる同社が市内の秋田県建築設計事業協同組合を構成員として選定し、久米・秋田県協同組合設計共同体を組成したことから、10月11日にこの共同体と市本庁舎建設基本設計業務の契約を締結した。

 プロポーザルでは、各種団体からの意見を聞く場としての「大館デザイン会議」と、一般市民からの意見を聞く場としての「市民ワークショップ」を設置するとした提案があり、今月26日に第1回会議をそれぞれ開催。いずれも計3回の開催を予定しており、市民の声を基本設計に反映したいと考えている。

 また、建設予定地の地盤状況調査などを行う本庁舎敷地地質調査業務の発注を終え、登記書類作成業務、オフィス環境整備業務なども順調に進んでいる。埋蔵文化財発掘調査は本年度調査分を予定どおり今月で終了することにし、26日に市民向けの現地説明会を開催した。

<大館版CCRC事業の進捗状況> 市の総合戦略に掲げ、首都圏などに住む子育て世代から高齢者までの移住促進を目的とした「大館版CCRC事業」は、国の地方創生推進交付金事業の交付決定を受け、今月1日に構想策定に伴う支援業務について県内事業者と委託契約を締結した。

 今後、副市長を委員長とする庁内検討委員会を設置し、介護・医療部会と移住促進部会を設け、市の現状把握と魅力、課題を洗い出すための調査、検討を行った上で、産業・教育・医療・福祉の専門分野からなる推進協議会を立ち上げ、専門的知見からの検討を加えてもらいながら地域活性化、定住人口増加への対策として年度内に整備構想を策定したいと考えている。

<固定資産税の課税誤り> このたび、固定資産税の課税事務で建築年を誤って登録したことによる6件の課税誤りが判明した。対象者並びに納税者に多大な迷惑をかけ、この場を借りてお詫び申し上げる。これは、平成元年の新築家屋であったにもかかわらず、課税台帳の建築年が昭和元年と登録されていたため、年を経るごとに一定の額まで評価額が下がっていく「経年減点」が適用されず、平成3年度以降過大に課税していたもので、すべての家屋約5万件を調査したところ、6件確認された。

 過大に課税していた皆さんには10月中に謝罪と経緯の説明を行い、理解を得た。課税誤りで徴収した分は、過去10年分の過大徴収額143万2,200円に還付加算金24万9,610円を加えた総額168万1,810円を、11月10日までに還付した。今後はこのような誤りが生じないようチェック機能の強化を図り、適正かつ慎重な事務処理に努め、再発防止に万全を期す。

<28年の農業> 東北農政局が公表した28年産水稲の作付面積及び予想収穫量によると、県北の水稲収穫量は10アール当たり573キロで前年比4キロの増加、作況指数は全県と同じ104で「やや良」となった。また、JAあきた北管内の1等米比率は、今月21日現在で前年比3.8ポイント増の86%。本年産米の生産者概算金はあきたこまちで昨年を1,100円上回り、60キロ当たり1万800円。

 野菜は、アスパラガスは6月下旬の梅雨の曇天に伴う病気の被害で一部品質低下が見られたものの、出荷量、単価、販売額とも平年並み。枝豆は、病害虫の発生は少なく、単価は前年比約1割増、品質も良好。出荷量は園芸メガ団地などの整備による作付面積の拡大で前年比約2割増、販売額は前年を大幅に上回った。

 トンブリは風水害や病害虫の被害も少なく順調に生育し、出荷量、単価とも平年並みの見込み。山の芋は、8月下旬の肥大期初期の高温で形状に影響を受けたが、出荷量は前年並みの見込み。

 果樹は、リンゴは成熟期の夜間温度が高かったことから着色不足となり、出荷量が減少している。ナシは、高温の影響で小玉傾向にあり、出荷量が減少。

<水田農業政策> 今年度の経営所得安定対策は、5月13日から6月30日までの期間、市農業再生協議会を経由して1,317件の加入・交付申請があった。これらの申請に基づく支払額は、米の直接支払交付金が1億7,100万円、水田活用の直接支払交付金が戦略作物と産地交付金を合わせて9億8,000万円、畑作物の直接支払交付金が5,800万円、総額で12億900万円となる見込み。

 市単独事業の耕作放棄地発生防止作付推進事業は、重点戦略作物等作付支援事業に201経営体が取り組み、作付面積は220ヘクタールと前年度比で52ヘクタール増加。また、飼料用米等作付支援事業には302経営体が取り組み、作付面積は766ヘクタールと前年度比で129ヘクタール増加しており、米の需給改善と農業経営の安定に寄与したものと考えている。

<雇用・地域経済> 来春の市内高校卒業予定者の就職動向は、10月末現在で就職希望者209人のうち120人が県内就職を希望しており、昨年同期との比較では1人増。市内企業の求人数は406人で、昨年同期との比較では22人増と好調。同現在の就職内定率は87.1%と昨年同期を2.4ポイント下回ったが、来春も6年連続の就職率100%となるよう地元企業に働きかける。また、9月のハローワーク大館管内の有効求人倍率は1.44倍。昨年同期を0.13ポイント上回り、引き続き高い状態で推移している。

 当面は、地域産業の労働力不足が継続するものと考えられることから、地元就職希望者の増加と労働力確保に向け、地元企業の優れた技術や製品を映像化してPRする若者地元就職促進事業に取り組み、その映像コンテンツを学生への企業説明会、小・中学生のふるさとキャリア教育、移住希望者への企業情報提供などに活用したい。

 企業活動の状況は、大館第二工業団地でニプロパッチ大館工場が投資額約38億7,000万円、新規雇用19人で8月から操業を開始。釈迦内産業団地でエス・トランスポートサービス物流センターが投資額約1億8,000万円、新規雇用6人で4月から操業を開始している。さらに、既存工場の増設としてニプロ第六工場、新和産業金属資源リサイクル工場、小滝電機製作所第二工場、伊藤技研第六工場、フレックス第一工場も操業を開始。これにより、10月1日現在の工場等設置促進条例に基づく指定工場は74事業所、従業員数は昨年同期比195人増の4,980人となり、今後も既存企業への支援と併せて企業誘致を推進する。

<生涯現役促進地域連携事業の採択> 市とシルバー人材センター、商工団体、金融機関などが連携して8月に設立した大館市高齢者活躍支援協議会による、生涯現役促進地域連携事業構想「秋田犬と暮らし生涯現役社会を目指すハチ公のふるさと大館」が、10月21日に厚生労働省から事業採択を受けた。

 この事業は、職を求める元気な高年齢者と人材を求める企業のマッチングを中心に、高年齢者の就業機会の確保と就労促進を図ることを目的としている。採択を受けた団体は神奈川県、京都府、福岡県などが中心となって設立された協議会など8団体で、北海道・東北ブロックは大館市協議会が唯一の採択団体。

 全国的に少子・高齢化が進展する中、大館市の有効求人倍率は高い水準で推移しており、業種によっては人手不足の状態が続いていることから、健康で働く意欲と能力のある高年齢者が働き続けることのできる生涯現役社会の実現に向けて取り組みを進める。

<サテライトオフィス事業の採択> 総務省の「お試しサテライトオフィス・モデル事業」に応募していた大館市の「星と緑と温泉の360°パノラマ・サテライトオフィス体験事業」が、今月8日に採択された。この事業は国の2次補正予算関連の事業で、地方自治体が策定する「サテライトオフィス誘致戦略」を支援することにより、地方への「ヒト・情報」の流れを創ることを目的としている。

 大館市は、ベニヤマ自然パークのコテージを活用した自然環境下での職住一体化体験、地域資源の活用、移住者支援などを盛り込んだ提案で応募し、応募40団体の中の採択10団体に入ることができた。今後は、三大都市圏の企業に大館市を訪れてもらい、体験を通じた企業の声を聞いた上で、空き公共施設や民間の空き店舗を活用した斬新な誘致戦略「大館モデル」を策定し、将来的にはICT企業の誘致につなげたいと考えている。今定例会に関係予算案を提出した。

<日沿道鷹巣大館道路及び葛原バイパスの開通> 国が18年度から事業を進めてきた日本海沿岸東北自動車道「二井田真中IC〜鷹巣IC」間、12.2キロメートルが完成し、10月22日に開通した。開通に先立ち、10月10日に行われた開通プレイベントでは摩当山トンネル見学やウォーキングが行われ、好天のもと、市民50人とともに私も開通前の高規格道路を歩いて体感した。

 また、18日にはトンネル内での事故を想定した防災訓練を行い、防災設備の作動と関係機関の連携、支援など、事故発生時の対応を確認した。22日に鷹巣ICで行われた開通式では、国や県、北秋田市、大館市の観光パネル展示ブースのほか、両市の特産品ブースや企業紹介ブースが設けられ、金田法務大臣ら関係者の挨拶、テープカットの後、大館市方向に向かって車両パレードが行われた。今回の開通により、北秋田市も日沿道ネットワークの一部として組み込まれ、地域の経済圏、観光圏、交流圏の拡大に大きく寄与することが期待される。

 来年度は「鷹巣IC〜(仮称)あきた北空港IC」間1.7キロの開通が予定されているが、全線開通に向けた「二ツ井白神IC」までの整備促進についても今月9日に能代市長、北秋田市長とともに財務省、国土交通省へ要望してきた。今後も粘り強く要望活動を行う。

 一方、県が11年度から事業を進めてきた国道103号「葛原バイパス」も10月27日に開通。この開通により、大館市と鹿角市の関係性がより深まることを期待しており、日沿道との相乗効果による北秋鹿角全域の結び付きも強くなっていくものと考えている。今後は物流、観光面などで鷹巣大館道路、葛原バイパスの整備効果を最大限発揮させるよう積極的な活用を図る。

<根下戸地区米代川河川緑地のプレオープン> 根下戸地区米代川河川緑地は米代川の防災効果を高め、親水空間としての賑わいの創出や健康増進を図ることを目的に25年7月から根下戸地区住民と国土交通省、市がワークショップを重ね、河川敷の整備を進めてきた。

 9月末にメイン施設となる多目的芝生広場や駐車場が完成したことを受け、去る10月15日には地域住民のほかグラウンドゴルフ愛好者、城西小学校の児童など180人を超える多数の参加を得て、プレオープンイベントを開催。来年4月からの供用開始に向け、地域住民で構成される根下戸米代川公園管理組合と国、市が協働で維持管理する体制も整った。今後は、新たな交流の場の創出と地域の活性化に資するものと期待している。

<歴史的風致維持向上計画策定の進捗状況> 昨年7月から取り組んできた歴史的風致維持向上計画は、これまで市議会をはじめ、都市計画審議会や文化財保護審議会などから指導と助言を得、現在、計画の最終案を策定している。この間、文化庁、農林水産省、国土交通省とのヒアリングや国、県の担当官と現地で意見交換を重ね、計画案の見直しを進めてきた。

 また、地区座談会を昨年は14回、今年は12回開催し、さらに今月1日から1か月間パブリックコメントを募っており、市民から得た意見を参考に、計画への反映や地区ごとのまちづくり方策の具体化を検討。今後は計画をさらに精査し、各分野の専門家で構成する市歴史的風致維持向上協議会を12月20日に開催し、計画案の承認を得て年内に三省庁へ計画を申請し、ぜひ今年度内に県内初の認定が得られるよう努める。この「歴史まちづくり」が、大館駅前地区都市再生整備計画事業や御成町南地区土地区画整理事業と連携しながら、市民のシビックプライドを醸成し、さらには市全体の活力を高めていけるよう継続して取り組む。